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自分の考えを言語化できない原因は?考えを整理してうまく伝える方法

頭の中には伝えたいことがあるのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない。

「どう思う?」と聞かれた瞬間に頭が真っ白になったり、会話が終わってから「こう言えばよかった」と思いついたりすることはありませんか。

自分の考えをうまく言語化できないと、「私には自分の意見がないのかもしれない」「語彙力や頭の回転に問題があるのでは」と不安になることもあるでしょう。

しかし、言葉に詰まるからといって、考える力がないとは限りません。

頭の中にいくつもの考えが浮かんでいて整理に時間がかかっている場合や、相手の反応を気にして慎重になっている場合もあります。また、書くと伝えられるのに、会話になるとうまく話せない人もいます。

この記事では、自分の考えを言語化できないと感じる理由や、頭の中を整理する手順、会話や仕事で使える伝え方のコツを紹介します。

最初から上手に話そうとしなくても大丈夫です。まずは、頭の中にあることを短い言葉に変えるところから始めてみましょう。

自分の考えを言語化できないと感じるのはどんなとき?

自分の考えを言語化できずノートを前に考える女性

「自分の考えを言語化できない」と感じる場面は、人によって異なります。

会議や人前で話すときだけ言葉が出なくなる人もいれば、家族や親しい人に自分の気持ちを伝えることが難しい人もいます。

よくある悩み

  • 頭の中ではわかっているのに説明できない
  • 突然意見を聞かれると頭が真っ白になる
  • 話し終わったあとに言いたいことを思いつく
  • 文章なら書けるのに、会話ではうまく話せない

まずは、自分がどのような場面で困りやすいのかを整理してみましょう。

頭の中ではわかっているのに説明できない

内容は理解しているつもりなのに、誰かに説明しようとすると話がまとまらないことがあります。

これは、頭の中にある情報が、まだ相手に伝えられる順番に並んでいない状態とも考えられます。

たとえば、映画を見て「よかった」と感じても、どの場面がよかったのか、なぜ心に残ったのかまでは、すぐに説明できないことがあります。

感覚として理解していることと、相手に伝わる形で説明することでは、必要になる作業が異なります。説明できないからといって、理解していないとは限りません。

意見を求められると頭が真っ白になる

会議や授業などで突然意見を求められると、それまで考えていたことが出てこなくなる場合があります。

「間違ったことを言ってはいけない」「わかりやすく話さなければ」と意識するほど、言葉を選ぶことに集中してしまい、考えが止まったように感じることもあります。

覚えておきたいこと
急に聞かれたときに答えられないことと、自分の意見を持っていないことは同じではありません。少し考える時間があれば答えられるなら、整理する時間が必要なだけかもしれません。

話し終わったあとに言葉が浮かぶ

会話が終わって一人になったときに、「本当はあれを伝えたかった」「もっとわかりやすい言い方があった」と思いつくことがあります。

会話中は、相手の話を聞くだけでなく、表情を見たり、返答を考えたり、話の流れを追ったりしています。そのため、自分の考えだけに集中するのが難しくなることもあります。

会話が終わって落ち着くと、自分の考えに意識を向けやすくなり、言いたかったことが整理される場合があります。

あとから考えが浮かぶことは、悪いことではありません。必要であれば、後日メッセージやメールで補足してもよいでしょう。

文章では書けても会話ではうまく話せない

文章を書くときは、言葉を選び直したり、順番を入れ替えたりできます。

一方、会話ではその場で相手の話を聞きながら、自分の考えをまとめて言葉にしなければなりません。

伝え方 考える時間 特徴
文章 比較的取りやすい 見直しや書き直しができる
会話 限られやすい 相手の反応を見ながら返答する必要がある

文章では伝えられる人でも、会話では言葉に詰まることがあります。文章で考えを整理できるなら、その方法を会話の準備にも活用できます。

自分の考えをうまく言葉にできない主な理由

自分の考えを言語化できない理由は一つではありません。

考えがまだ曖昧な場合もあれば、相手にどう受け取られるかを気にして、言葉を止めてしまう場合もあります。

考えがまだ具体的になっていない

「何となく嫌だった」「何となくこちらのほうがよい」と感じていても、その理由までは自分でわかっていないことがあります。

気持ちや考えが曖昧なままでは、相手に伝える言葉も見つけにくくなります。

考えを具体的にする3つの質問

  • どの部分が気になったのか
  • 何が起きたときに気持ちが変わったのか
  • 本当はどうなってほしかったのか

すぐに答えが出なくても構いません。「まだ理由はわからない」と気づくことも、考えを整理する一歩です。

一度に多くのことを伝えようとしている

伝えたいことが多いと、どれから話せばよいのかわからなくなります。

過去の出来事や相手との関係、現在の気持ち、今後の希望などを一度に説明しようとすると、話の中心が見えにくくなります。

最初からすべてを伝えようとせず、「今、一番伝えたいことは何か」を一つだけ選んでみましょう。

まとまりにくい伝え方:
前にも同じことがあって、そのときも困ったし、昨日も忙しかったし、これからのことも心配で……。

伝わりやすい伝え方:
一番相談したいのは、来週の仕事量についてです。

失敗しない言い方を探しすぎている

言葉に詰まりやすい人の中には、話し始める前に、頭の中で完璧な文章を作ろうとする人もいます。

しかし、会話では一度で完璧に説明できなくても問題ありません。

「少し言い方が違いました」「もう少し正確に言うと」と言い直してもよいのです。

完璧な文章を完成させてから話すのではなく、まず短く話し、必要な部分をあとから補うと考えてみましょう。

相手の反応が気になってしまう

相手に否定されたくない、嫌われたくない、場の雰囲気を悪くしたくないという思いが強いと、自分の意見を言いにくくなることがあります。

特に、相手と意見が違うときは、何も言わずに合わせたほうがよいと感じることもあるでしょう。

自分の考えを伝えることは、相手を否定することではありません。
「私はこう感じました」「別の見方もあると思います」のように、自分を主語にすると、相手を責めずに意見を伝えやすくなります。

使い慣れている表現が少ない

知っている言葉の数が少ないというより、考えを伝えるときに使える表現が定着していない場合があります。

難しい言葉をたくさん覚えなくても、よく使う言い回しをいくつか持っているだけで、話しやすくなります。

  • 「一番気になっているのは〇〇です」
  • 「私は〇〇だと思います」
  • 「その理由は〇〇です」
  • 「具体的には〇〇ということがありました」

自分が使いやすい表現を繰り返し使うことで、少しずつ話し始めやすくなります。

言語化が苦手なのは頭の回転や能力の問題?

言葉がすぐに出てこないと、「頭の回転が遅いのでは」「能力が低いのでは」と心配になることがあります。

しかし、返答の速さだけで、理解力や考える力を判断することはできません。

考える速さと伝える速さは別の力

頭の中で考えることと、その内容を相手に伝わる順番に整理して話すことでは、必要になる作業が異なります。

考えがあっても、言葉を選び、順番を整え、相手に合わせて説明するまでには時間がかかることがあります。

すぐに答えられる人が必ず深く考えているとは限らず、返答に時間がかかる人が考えていないとも限りません。

慎重な人ほど返答に時間がかかることもある

「本当にこの言い方で合っているか」「相手を傷つけないか」と考える人ほど、発言までに時間がかかる場合があります。

また、一つの質問に対して複数の見方が浮かぶ人は、どれを選んで話すか迷うこともあるでしょう。

慎重に考えること自体は悪いことではありません。

使いやすい前置き
「現時点ではこう考えています」と伝えると、考えが完全にまとまる前でも話しやすくなります。

話すのが苦手でも考えがないとは限らない

会話で発言が少ないからといって、何も考えていないわけではありません。

相手の話をよく聞いていたり、複数の情報を頭の中で整理していたりすることもあります。

自分が話せなかった場面だけを見て、「私は意見を持てない人だ」と決めつけないようにしましょう。

あとからでも考えを書き出せるなら、それも自分の意見です。

原因を一つに決めつけないことが大切

言葉にしにくい理由には、緊張、経験、性格、周囲の環境、体調など、さまざまな要素が関係することがあります。

インターネットで見つけた情報だけをもとに、「自分は必ずこの状態だ」と決めつける必要はありません。

特定の場面だけで困るのか、日常生活のさまざまな場面で困っているのかによっても、必要な工夫は変わります。

大切なポイント
この記事は、言葉を整理するための一般的な方法を紹介するものです。個人の状態や原因を診断するものではありません。

言葉にする前に頭の中を整理する5つの手順

考えがまとまらないときは、頭の中だけで整理しようとせず、紙やスマートフォンのメモに書き出すと整理しやすくなります。

頭の中を整理する5つの手順

  1. 何について伝えるのかを一つに絞る
  2. 事実と自分の感想を分ける
  3. 最初に結論を短く書く
  4. 結論の理由を一つ挙げる
  5. 具体例や出来事を加える

手順1|何について伝えるのかを一つに絞る

最初に、今から何について話すのかを一文で決めます。

たとえば、職場で仕事量について相談したい場合は、「最近の仕事量について相談したい」と書きます。

ここで過去の不満や人間関係まで一度に整理しようとすると、話題が広がりすぎます。まずは一つのテーマだけに絞りましょう。

手順2|事実と自分の感想を分ける

出来事と感情が混ざっていると、相手に何を伝えたいのかわかりにくくなります。

まずは、実際に起きたことと、自分がどう感じたかを分けてみましょう。

事実とは

事実は、実際に起きたことや確認できる情報です。

  • 今週、予定外の仕事が3件増えた
  • 締め切りが2日早くなった
  • 事前の説明がないまま担当が変更された

日時、回数、数字などを入れると、より具体的になります。

感想や意見とは

感想や意見は、その出来事について自分がどう感じたか、どう考えたかという内容です。

  • このままでは間に合わないと感じている
  • 事前に相談してほしかった
  • 仕事の分担を見直したほうがよいと思う
区分 内容
事実 実際に起きたこと 締め切りが2日早くなった
感想 自分がどう感じたか 間に合うか不安に感じた
意見・希望 どうしたいか 期限を相談したい

手順3|最初に結論を短く書く

伝えたい内容を一文にまとめます。

  • 「今回は参加を見送りたいです」
  • 「仕事の分担について相談したいです」
  • 「私は別の方法がよいと思います」

最初の一文が決まると、その後に何を補足すればよいかも見えやすくなります。

手順4|結論の理由を一つ挙げる

結論の次に、その理由を一つだけ付け加えます。

理由が複数ある場合でも、まずは最も大切なものを選びましょう。

今回は参加を見送りたいです。家族の予定と重なっているためです。

手順5|具体例や出来事を加える

結論と理由だけでは伝わりにくい場合は、具体的な出来事を加えます。

「最近忙しい」ではなく、「今週は予定外の仕事が3件増えた」のように伝えると、状況を想像しやすくなります。

ただし、関係のない出来事まで細かく説明する必要はありません。相手が判断するために必要な情報だけを選びましょう。

まずはメモに一文だけ書いてみましょう

「私が一番伝えたいのは〇〇です」と書くだけでも、考えの中心が見えやすくなります。

長く書く必要はありません。最初の一文から始めてみてください。

考えがまとまらないときに使える言語化の型

自分の考えを一から文章にしようとすると、何から話せばよいのかわからなくなることがあります。

そのようなときは、決まった型に当てはめると整理しやすくなります。

「結論・理由・具体例」の順で伝える

自分の意見や考えを伝えるときに使いやすい基本の型です。

基本の型

  1. 私は〇〇だと思います
  2. なぜなら〇〇だからです
  3. 例えば〇〇ということがありました

使用例
私は作業の手順を見直したほうがよいと思います。確認に時間がかかっているからです。例えば、昨日は同じ内容を3人が別々に確認していました。

具体例が必要ない場合は、結論と理由だけでも構いません。

「事実・気持ち・希望」の順で伝える

家族や友人、パートナーなどに、自分の気持ちを伝えるときに使いやすい型です。

人間関係で使いやすい型

  1. 何があったか
  2. 自分がどう感じたか
  3. 今後どうしてほしいか

使用例
予定が変更になったことを当日に知りました。準備をしていたので少し困りました。次からは、わかった時点で教えてもらえるとうれしいです。

「あなたが悪い」と責めるより、自分の気持ちと希望を伝えたほうが、話し合いにつながりやすくなります。

「現状・問題・提案」の順で伝える

仕事で状況を報告したり、改善案を提案したりするときに使いやすい型です。

仕事で使いやすい型

  1. 現在は〇〇という状況です
  2. 〇〇が問題だと考えています
  3. そのため〇〇を提案します

使用例
現在、確認作業に毎日1時間ほどかかっています。担当者によって確認方法が異なることが問題だと考えています。そのため、確認項目を一覧にすることを提案します。

「一言でいうと」から話し始める

説明が長くなりやすい人は、最初に「一言でいうと」と考えてみましょう。

  • 「一言でいうと、予定を変更したいです」
  • 「一番お伝えしたいのは、期限の見直しです」
  • 「結論から言うと、今回は参加できません」

最初に中心となる内容を示すと、途中で話がそれても戻りやすくなります。

型は会話を不自然にするものではない

型を使うと、機械的な話し方になるのではと心配する人もいるかもしれません。

しかし、型は話し方を決めるものではなく、頭の中を整理するための補助です。

伝えたい場面 使いやすい型
自分の意見を伝える 結論・理由・具体例
気持ちや要望を伝える 事実・気持ち・希望
仕事の改善案を伝える 現状・問題・提案

会話中に言葉が出てこないときの対処法

事前に準備していても、会話中に言葉が出てこなくなることはあります。

その場で無理に答えを作ろうとせず、考える時間を確保したり、短い言葉から話し始めたりする方法を試してみましょう。

考える時間が必要だと素直に伝える

質問されたら、すぐに答えなければならないと思ってしまいがちです。

しかし、少し考える時間をもらうことは失礼ではありません。

  • 「少し考えてから答えてもよいですか」
  • 「一度整理してからお伝えします」
  • 「すぐには判断できないので、少し時間をください」

まとまっていないことを先に伝える

完成した意見でなくても、今の時点で考えていることを伝える方法があります。

「まだうまく整理できていませんが」「現時点では」と前置きすると、完璧に話さなければならないという負担を減らせます。

例:「まだ整理しきれていませんが、私は予定を見直したほうがよいと感じています」

相手の質問を言い換えて確認する

何を答えればよいかわからないときは、質問の範囲が広すぎることがあります。

「〇〇についての意見を答えればよいですか」「今回の対応について、という意味でしょうか」と確認してみましょう。

質問の内容を絞ることで、考える範囲も狭くなり、答えを見つけやすくなります。

一文を短くして区切りながら話す

すべてを一度に説明しようとせず、まずは結論だけを短く伝えます。

短く区切る例

「私は賛成です」

「理由は、時間を短縮できると思うからです」

短い文章で区切ると、自分も次に話す内容を考えやすくなり、相手も理解しやすくなります。

その場で答えられない場合はあとで伝える

質問の内容によっては、その場ですぐに答えられないこともあります。

「確認してから改めてお伝えします」と伝え、あとでメールやメッセージで回答しても問題ありません。

あとで回答すると伝えた場合は、忘れないようにメモしておきましょう。

仕事や会議で自分の意見を伝えやすくするコツ

仕事や会議では、限られた時間の中で意見を求められることがあります。

その場で考える負担を減らすには、事前に話す内容を少しだけ準備しておくことが大切です。

会議前に想定される質問を書き出す

議題を確認し、自分に聞かれそうなことを予想しておきます。

  • この案に賛成か反対か
  • 現在の進み具合はどうか
  • 問題になっていることはあるか
  • 今後どうしたいか

答えを長文で用意する必要はありません。結論と理由を一つずつメモするだけでも、発言の準備になります。

発言したい内容を一文でメモする

会議中に伝えたいことがある場合は、一文でメモしておきましょう。

たとえば、「作業時間を確保するため、締め切りを1日延ばしたい」と書きます。

発言するときは、その一文を読み上げても構いません。最初の言葉が出れば、その後の説明も続けやすくなります。

事実と推測を分けて話す

仕事では、確認できている事実と、自分の予想や意見を分けることが大切です。

種類 伝え方の例
確認済みの事実 昨日までに5件の問い合わせがありました
推測・予想 今後も増える可能性があると考えています
未確認の情報 この点は現時点では確認できていません

反対意見は相手ではなく内容に向ける

意見が違うときは、相手の人格や考え方を否定するのではなく、具体的に気になる点を伝えます。

「その考えは間違っています」ではなく、「費用の面が少し気になります」と伝えると、話し合いにつながりやすくなります。

完璧な提案ではなく途中経過として共有する

考えが完成するまで発言できないと、会議でタイミングを逃してしまうことがあります。

そのようなときは、「現時点での案ですが」「まだ確認が必要ですが」と前置きして共有します。

不確定な部分を明確にすれば、途中の案でも話し合いの材料になります。

自分の気持ちを言葉にするための考え方

意見だけでなく、自分の気持ちを言葉にすることが難しい人もいます。

「何となくつらい」「何となくモヤモヤする」という状態から、少しずつ具体的な言葉を探してみましょう。

「良い・悪い」以外の感情を探す

気持ちを「うれしい」「悲しい」「嫌だった」だけで表そうとすると、しっくりくる言葉が見つからないことがあります。

気持ちを表す言葉の例

  • 安心した
  • 寂しかった
  • 焦った
  • 戸惑った
  • 不安だった
  • 期待していた
  • 納得できなかった
  • 置いていかれたように感じた

ぴったりの言葉が見つからない場合は、「少し寂しいような、困ったような感じ」と複数の言葉を使っても構いません。

感情が生まれた出来事を振り返る

いつからその気持ちになったのかを考えると、感情を言葉にしやすくなります。

「相手に何を言われたときか」「どの場面で気持ちが変わったか」を振り返ってみましょう。

たとえば、「予定を変更されたこと」よりも、「自分だけあとから知らされたこと」が気になっていたとわかる場合があります。

本当はどうしてほしかったのか考える

モヤモヤの奥には、自分が相手に望んでいたことが隠れている場合があります。

  • 話を最後まで聞いてほしかった
  • 一緒に考えてほしかった
  • 事前に知らせてほしかった
  • 自分の意見も確認してほしかった
  • 努力したことを認めてほしかった

希望がわかると、「嫌だった」で終わらず、相手にどうしてほしいかまで伝えられます。

感情を正しいか間違いかで判断しない

「こんなことで悲しくなるのはおかしい」「怒ってはいけない」と、自分の感情を否定する必要はありません。

感情は、自分が何を大切にしているかを考える手がかりになります。

感情を認めることと、相手を責めることは別です。
まずは自分の中で「私はそう感じた」と整理してから、落ち着いて伝え方を考えましょう。

日常で言語化する力を鍛える練習方法

言語化する力は、特別な勉強だけでなく、日常の短い練習でも少しずつ身につけていけます。

毎日長い文章を書く必要はありません。無理なく続けられる方法を一つ選んでみましょう。

一日の出来事を3行で書く

その日の出来事を、3行だけ書く方法です。

3行の書き方

  1. 今日あったこと
  2. そのとき感じたこと
  3. そう感じた理由

3行メモの例

今日は予定より仕事が早く終わった。

ほっとした。

帰宅後にゆっくりできると思ったから。

短くても、出来事・感情・理由を分けて考える練習になります。

「なぜそう思った?」を一回だけ考える

自分の感想に対して、「なぜそう思ったのか」を一回だけ考えてみましょう。

「この服が好き」と思ったら、「色が落ち着いていて手持ちの服に合わせやすいから」と理由を付けます。

深く考えすぎる必要はありません。理由がわからない日は、「今は理由がよくわからない」と書いても大丈夫です。

見たものや聞いたことを一文で要約する

ニュース、動画、ドラマ、家族との会話などを、一文でまとめる練習です。

すべての内容を説明するのではなく、「一番大切だと思ったこと」を選びます。

例:「この動画は、朝の準備を短くする方法を紹介していた」

好き嫌いを理由付きで話す

自分の意見を持つ練習は、難しいテーマから始めなくても構いません。

食べ物、服、音楽、家電、映画など、身近なものについて考えてみましょう。

短い感想 理由を加えた感想
この服が好き 落ち着いた色で合わせやすいから、この服が好き
この映画は苦手 緊張する場面が長く続くので、この映画は少し苦手

人のわかりやすい表現を記録する

本や記事、会話の中で「わかりやすい」と感じた言葉をメモしておきましょう。

  • 「一番お伝えしたいのは」
  • 「現時点では」
  • 「具体的には」
  • 「結論から言うと」

文章をそのまま使うのではなく、自分の状況に合わせて言い換えてみます。

音声メモを使って一人で話してみる

書くことより話すことを練習したい場合は、スマートフォンの音声メモを使う方法があります。

今日あった出来事や、最近気になっていることを1分程度で話してみましょう。

あとで聞き直し、「結論がわかるか」「同じ話を繰り返していないか」を確認します。

今日からできる言語化の練習

今日あったこと・感じたこと・理由を、3行だけメモしてみましょう。

続けることより、まず一度書いてみることが大切です。

言語化が苦手な人が避けたい思い込みと習慣

言語化する力を身につけようとしても、思い込みが強いと、かえって言葉が出にくくなることがあります。

難しい言葉を使えば伝わりやすいと思う

難しい言葉や専門用語を使えば、賢くわかりやすく説明できるとは限りません。

相手が理解しやすい言葉を選ぶほうが、内容は伝わりやすくなります。

難しい言葉より、短く具体的な言葉を選びましょう。

最初から完璧に話さなければならないと思う

会話は、一度で完成した説明を発表する場ではありません。

相手の反応を見ながら補足したり、言い直したりしてもよいのです。

「少し説明が足りませんでした」「言い直すと」と修正することは、失敗ではありません。

言葉に詰まった自分を責める

うまく話せなかったあとに、「また失敗した」「私は話すのが下手」と責め続けると、次の会話でも緊張しやすくなることがあります。

できなかった点だけでなく、次のような点にも目を向けましょう。

  • 結論だけは伝えられた
  • 考える時間がほしいと言えた
  • 相手の質問を確認できた
  • あとから補足できた

話すのが速い人と自分を比べる

すぐに言葉が出る人を見ると、自分だけが遅いように感じることがあります。

しかし、話す速さと内容の正確さや深さは同じではありません。

他人の速さではなく、以前の自分より伝えやすくなったかを見ていきましょう。

言語化できない理由を自己判断で決めつける

「性格だから一生変わらない」「何かの病気に違いない」と、自分だけで原因を決めつける必要はありません。

言葉が出にくい理由は、場面や緊張、経験、周囲の環境、体調などによって変わることがあります。

まずは、いつ、誰と、どのような話をするときに困るのかを整理しましょう。

言葉にできない悩みがつらいときの相談先の考え方

言語化が苦手でも、日常生活で大きく困っていなければ、自分に合う方法を少しずつ試していくことができます。

一方で、不安や緊張が強く、人との会話や仕事、学校生活などに大きな影響が出ている場合は、一人で抱え込まないことも大切です。

まずは困っている場面を整理する

相談する前に、どのような場面で困っているかをメモしておくと、状況を説明しやすくなります。

  • 仕事や学校など特定の場面だけで困るのか
  • 家族や親しい人との会話でも困るのか
  • 話すことだけでなく、文章を書くことも難しいのか
  • いつ頃から困っているのか
  • 緊張や不安、体調の変化があるか

信頼できる身近な人に状況を伝える

家族、友人、学校の先生、職場の上司や相談担当者など、話しやすい人に困っていることを伝えてみましょう。

口頭で話すのが難しい場合は、メッセージやメモで伝えても構いません。

「急に聞かれると答えにくいので、少し考える時間がほしい」と具体的に伝えると、周囲も対応を考えやすくなります。

生活への影響が大きい場合は専門家への相談も検討する

不安や緊張が強く、仕事や学校へ行くことがつらい場合や、人との会話を避ける状態が続いている場合は、医療機関や公的な相談窓口などに相談する選択肢もあります。

突然、言葉が出にくくなった場合は注意してください

これまで問題なく話せていた人が、突然うまく言葉を話せなくなったり、ろれつが回らなくなったり、相手の言葉を理解しにくくなったりした場合は、脳卒中など緊急の対応が必要な病気の可能性があります。

次のような症状がある場合は、様子を見ずに119番へ通報してください。

  • 突然、言葉が出なくなった
  • 突然、ろれつが回らなくなった
  • 相手の言葉を理解しにくくなった
  • 顔や手足の片側が動かしにくい、またはしびれる
  • 意識の状態がおかしい
  • これまで経験したことのない突然の激しい頭痛がある

症状がいったん治まった場合でも、自分だけで判断せず、速やかに医療機関へつながることが大切です。

救急車を呼ぶべきか、今すぐ医療機関を受診すべきか判断に迷い、上記のような緊急性の高い症状がない場合は、対応地域であれば救急安心センター「#7119」に相談する方法もあります。

ただし、突然の言語障害や片側の麻痺など、緊急性が疑われる症状がある場合は、#7119への相談よりも119番への通報を優先してください。

どこに相談すればよいかわからない場合は、住んでいる地域の相談窓口や、かかりつけの医療機関に相談してみましょう。

インターネットの記事だけで原因を断定しない

同じように「言葉が出にくい」と感じていても、その背景は人によって異なります。

インターネットの記事は、自分の状態を整理したり、伝え方を工夫したりする参考にはなりますが、個人の原因を判断するものではありません。

気になる状態が続く場合や、生活への影響が大きい場合は、記事の情報だけで判断せず、必要に応じて適切な相談先を利用しましょう。

自分の考えを伝えやすくする便利なフレーズ集

言葉が出てこないときに使えるフレーズをいくつか用意しておくと、会話を始めやすくなります。

自分が使いやすいものを選び、スマートフォンや手帳にメモしておくのもおすすめです。

考える時間がほしいとき

  • 「少し考えてからお答えしてもよいですか」
  • 「一度整理して、改めてお伝えします」
  • 「すぐには判断できないので、少し時間をください」
  • 「確認してからお答えしたいです」

考えがまだまとまっていないとき

  • 「まだ整理しきれていませんが、現時点では〇〇と考えています」
  • 「うまく言葉にできないのですが、一番気になるのは〇〇です」
  • 「まず結論からお伝えすると、〇〇です」
  • 「今の時点で感じていることをお話しします」

自分の意見をやわらかく伝えるとき

  • 「私は〇〇のように感じました」
  • 「別の見方として、〇〇も考えられると思います」
  • 「〇〇という点が少し気になっています」
  • 「私は〇〇の方法が進めやすいと思います」

相手の質問を確認したいとき

  • 「〇〇についての意見をお答えすればよいでしょうか」
  • 「ご質問は〇〇という意味で合っていますか」
  • 「もう少し具体的に教えていただけますか」
  • 「どの部分についてお答えすればよいですか」

話がまとまらなくなったとき

  • 「話を戻すと、一番お伝えしたいのは〇〇です」
  • 「いくつかお話ししましたが、結論は〇〇です」
  • 「説明が長くなりましたが、お願いしたいのは〇〇です」
  • 「少し話がそれましたが、問題だと感じているのは〇〇です」

自分が使いやすいフレーズを一つ選びましょう

すべて覚える必要はありません。

まずは「少し考えてもよいですか」の一言を用意しておくだけでも安心です。

まとめ|考えを言語化する力は少しずつ身につけられる

自分の考えを言語化できないからといって、考える力や自分の意見がないとは限りません。

頭の中にある考えがまだ整理されていなかったり、間違えないように慎重になりすぎていたり、急な返答が苦手だったりすることもあります。

この記事のポイント

  • 最初に一番伝えたいことを一つに絞る
  • 事実と感想、希望を分けて考える
  • 結論に理由を一つ付け加える
  • 必要な場合だけ具体例を加える
  • すぐに答えられないときは考える時間をもらう
  • 毎日の短いメモで言葉にする練習をする

会話中に言葉が出てこないときは、少し考える時間をもらったり、考えがまとまっていないことを先に伝えたりしても構いません。

その場で答えられない場合は、あとからメールやメッセージで補足する方法もあります。

言語化する力を鍛えるために、毎日長い文章を書く必要はありません。

一日の出来事を3行で書いたり、好きなものについて理由を一つ考えたりするだけでも、自分の考えを見つける練習になります。

最初から完璧な言葉にしようとせず、「私はこう思う」「一番気になるのはこれ」と短く表すところから始めてみてください。

今日の気持ちを3行で書いてみませんか?

今日あったこと、感じたこと、その理由を一つずつ書くだけで大丈夫です。

小さな言語化を重ねることで、自分の考えを整理し、相手に伝える力を少しずつ育てていきましょう。