保育園の通園地図の書き方ガイド|家庭調査票や申請書で使える簡単作成法
毎年、保育園から配布される「家庭状況書」や「家庭調査票(家庭状況調査票)」には、
「自宅から保育園までの地図を記入してください」という欄があります。
初めて書くときは「どこまで詳しく?」「どう描けばいいの?」と迷う方も多いですよね。
この記事では、園や自治体から求められる通園地図の正しい書き方を、手書き・Googleマップ・アプリなど、誰でもできる方法でわかりやすく解説します。
どんな園でも安心して提出できるように、実際の保護者目線でまとめました。
家庭状況書(家庭調査票)とは?地図欄がある理由

家庭調査票は、在園児の家庭状況や連絡先、送迎者情報、緊急時の対応などを毎年度初めに更新・確認するための書類です。多くの園で、自宅から園までの通園経路を把握するための地図欄が用意されています。入園申請の段階で同様の地図や経路の提出を求める自治体・園もありますが、在園中も年度更新で毎年の提出をお願いされるケースが一般的です。
園が地図を必要とする主な目的
- 安全確認:日常の送迎で通る道や、交通量・交差点の位置を把握するため
- 緊急・災害時対応:引き渡し経路や避難時の合流地点を確認するため
- 連絡・引き渡しの効率化:送迎者が変わった場合や、道が不通になった場合に備えるため
地図は完璧な測量図面である必要はなく、園が確認しやすい見やすい略図で十分な場合が多いです。ただし、提出形式や必須の記載項目は園・自治体で異なるため、配布資料の指定(用紙サイズ、カラー・モノクロ、ルートの描き方など)を必ず確認しましょう。
作成前に準備しておくこと(下準備で仕上がりが変わります)
① 自宅・保育園の住所とランドマークを確認
番地までの住所が分かっていると、Google マップ等で検索しやすくなります。途中にある目印(公園・コンビニ・交差点名・橋・トンネル等)を2~4か所メモしておくと、略図でも伝わりやすくなります。
② 実際の通園ルートを一度歩いて(または走って)確かめる
普段の最短ルートに加えて、雨の日・工事・通行止めの際に使う迂回ルートも意識しておくと安心です。
小さな子ども連れでは、信号や横断歩道、歩道の幅などの体感が大切。危険箇所(見通しの悪いカーブ、暗い歩道、狭い路地など)もチェックしましょう。
③ 園・自治体の指定を確認(最重要)
- 用紙サイズ(多くは A4)・向き(縦/横)
- カラー or モノクロの指定
- 必須記載:自宅・園の位置、通園ルート、主要目印、所要時間 など
- デジタル地図の貼付可否(プリント貼付がOKか、手描きが原則か)
※本記事の方法は一般的な手順です。各園の配布資料の指示を最優先してください。
地図の書き方ステップ|手書き・Google マップ・アプリ
① 手書きで描く(もっとも汎用的で失敗しにくい)
- 枠を整える:家庭調査票の地図欄に、方角(「北↑」)を小さく入れると親切です。
- 自宅・園の位置:四角や家アイコンで「自宅」、旗や園舎アイコンで「保育園」を示し、名称ラベルを付けます。
- ルートを一本に絞る:ふだん使うルートを太めの実線で描き、必要に応じて雨天用や迂回ルートを点線で示します。
- 目印を3~4か所:交差点名・公園・コンビニ・橋・トンネルなどを簡潔に配置。
- 補足:所要時間(徒歩〇分/自転車〇分/ベビーカー時〇分)を書き添えるとより親切です。
コツ:情報を詰め込みすぎない・文字は読める大きさ・モノクロでも識別できるメリハリを意識。
② Google マップの経路を印刷して使う(正確・見やすい)
- Google マップを開き、自宅 → 保育園で「経路」を検索(徒歩/自転車など移動手段を選択)。
- 表示範囲を調整して、自宅と保育園、主要目印が同じ画面に入るように拡大/縮小。
- スクリーンショットを撮影し、Word/Google ドキュメント等に貼付してルートをハイライトペンでなぞるとさらに見やすくなります。
- 園の指示が「印刷貼付OK」の場合は、A4で印刷して貼り付け。貼付NGの場合は、略図の参考として手描きに反映します。
補足:Google マップの「右クリック → 距離を測定」で、概算距離や曲がり角の数を把握できます(PCブラウザ)。スマホアプリでもルートの距離・所要時間は確認可能です。
③ Google マップの「マイマップ」を使ってきれいに作る(加工しやすい)
- PCブラウザで Google マイマップにアクセスし、「新しい地図を作成」。
- 検索バーで自宅・保育園をピン留めし、「ラインを追加」で歩行経路をなぞります。
- 線やピンの色・太さ・ラベルを調整し、必要な目印(公園・交差点名など)もピンで追加。
- 右上のメニューから印刷(またはブラウザ印刷)で A4 に出力。
画像としてエクスポート→Word 等でサイズや余白を整えて印刷すると、貼付しやすくなります。
④ Yahoo!地図やその他アプリ(スマホ中心で完結したい方向け)
Yahoo!地図や各種地図アプリでも、ルート検索→画面キャプチャ→印刷の流れで対応できます。
スマホのみで印刷まで行う場合は、プリンタアプリやコンビニプリントを使うのが手軽です。
PCブラウザからの印刷のほうが配置や余白の調整がしやすいため、仕上がり重視なら PC を推奨します。
見やすく伝わる地図にするデザインのコツ
線・色・メリハリの使い分け
- 普段のルート:太めの実線
- 雨天や迂回ルート:点線や細線
- 自宅・園:大きめのマーク+ラベルで一目で分かるように
- 色は 2~3 色まで(モノクロ印刷でも識別できる濃淡を意識)
目印の入れ方(入れすぎないのがコツ)
- 交差点名・公園名・橋・信号など、方向感覚に役立つポイントを厳選
- 商業施設は長く存在する可能性が高い店舗(駅・郵便局・大きなスーパー等)を優先
- 小さな路地や私道は省略し、主要道路中心に
文字と縮尺(読めるサイズを最優先)
- 文字はにじみにくい太さで、最低 9〜10pt 以上を目安に
- 地図は近すぎず遠すぎず、自宅と園が同じ紙に収まる拡大率に
- 用紙の余白に「徒歩〇分/自転車〇分」「危険箇所メモ」を書いて親切に
距離・所要時間を正確に示すには
Google マップ(PC)の距離測定
- 地図上で自宅の位置を右クリック →「距離を測定」
- 保育園までを複数点でなぞると、総距離が表示されます
- ルート検索の所要時間(徒歩/自転車)も参考にしましょう
スマホでの目安確認
- Google マップの「経路」で徒歩や自転車を選べば、距離と時間の目安が表示
- ベビーカーや子どもの歩行ペースでは余裕を持った分数を書くと実態に合います
遠い場合の書き方の工夫
- 全体図(小)+拡大図(大)の2 段構成にすると分かりやすい
- 途中の合流地点(大通りや駅など)を目印として明示
- 雨天・渋滞時の代替ルートは点線で補足
印刷・提出の注意点(仕上がりがグッと良くなります)
印刷設定
- 用紙サイズ・向きは配布資料に合わせる(多くは A4)
- ブラウザ印刷時は余白を「最小」または「カスタム」に設定し、地図が大きく入るよう調整
- モノクロ提出の場合、コントラストと線の太さを事前にチェック
貼り付け・記名
- のりは四隅+中央を薄く(紙の波打ち防止)
- 剥がれ防止にスティックのり+四隅のみセロハンテープで補強
- 地図の右下に氏名・クラスを小さく記載(園の指定がある場合は従う)
提出前の最終チェック
- 自宅・園の位置ラベルは読み取れる?
- ルートは 1 本が明確?(複数ある場合は主ルートが分かるか)
- 目印は多すぎない?(3〜4 か所に絞っているか)
- モノクロ想定でも見やすい?(線の太さ・濃淡)
年度更新で毎年提出を求められる理由
通園ルートや送迎体制は、転居・勤務先変更・送迎者(祖父母など)の変化で更新が必要になります。また、災害時の集合場所や引き渡しルールの周知徹底にも、最新の地図が欠かせません。
園側は最新情報を把握することで、日々の安全管理をより確実にできるようになります。
- 引越しや転園、勤務先・時短勤務の変更があった
- 送迎者が追加・変更になった(祖父母・シッターなど)
- 工事・通行止めでルートが変わった/夜間の視認性が低い道を避けるようになった など
よくある質問(Q&A)
Q:手書きでも大丈夫?
多くの園で手書きの略図が受け入れられています。読みやすさを優先し、自宅・園・主ルート・目印を簡潔に描けば十分です。
Q:Google マップの印刷を貼ってもいい?
対応は園ごとに異なります。配布資料の指定に沿ってください。許可されていれば、スクリーンショットやマイマップの印刷を貼付すると、見やすく正確です。
Q:距離や所要時間はどのくらい正確に書くべき?
あくまで園の把握が目的なので、実態に合う目安で大丈夫です。Google マップの徒歩表示を参考にしつつ、ベビーカーや子どもの歩調なら余裕を持った分数を書きましょう。
Q:地図欄が小さくて書きづらい……
園の許可があれば、別紙 A4 に大きめに作成→貼付が分かりやすい方法です。許可がない場合は、全体図+拡大図の構成でスペースを活用しましょう。
Q:兄弟が別園の場合は?
園ごとの提出書類が異なるため、それぞれの園の指示に従い別々に作成するのが基本です。共有できる略図が認められているケースもあるため、先生に確認しましょう。
まとめ
保育園の通園地図は、子どもの安全と、園の円滑な引き渡し・緊急時対応のために大切な情報です。
手書きでもデジタルでも、「見やすく・わかりやすく・最新情報であること」が何より大切。
迷ったときは、園や自治体の配布資料・先生の指示を確認しながら、無理のない方法で丁寧に仕上げてくださいね。
今年の提出が、少しでもラクに、そして安心につながりますように。