タンスシートは本当に必要?新聞紙で代用できるのか徹底比較しながら解説します
「タンスシートって、本当に買ったほうがいいのかな?」「新聞紙で代用できるって聞いたけれど、実際どうなの?」 そんなモヤモヤした気持ちで、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
衣替えや収納のたびに、大切な洋服をできるだけキレイな状態で保管したい、という気持ちはみんな同じですよね。 ただ、タンスシートを使うべきか、新聞紙で済ませるかは、意外と悩みどころです。
この記事では、
- タンスシートの基本的な役割と種類
- タンスシートのメリット・デメリット
- 新聞紙でどこまで代用できるのか
- タンスシートと新聞紙の上手な使い分け方
- コストや手間も含めた総合的な選び方
などを、収納初心者の方にもわかりやすいよう、やさしい言葉で丁寧に解説していきます。 「うちのタンスにはどっちが合っているんだろう?」と迷っている方は、参考にしてみてくださいね。
タンスシートとは?役割・種類・使い方の基本

まずは、そもそも「タンスシート」とはどんなものなのか、基本から整理しておきましょう。 タンスシートは、タンスや衣装ケースの底に敷いて使うシート状のアイテムで、衣類をより快適な状態で保管するための補助グッズです。
主な役割としては、次のようなものがあります。
- 湿気対策(調湿):シートに含まれる素材が湿気を吸い取り、カビやニオイの発生を抑える
- 消臭対策:ニオイを吸着したり、ニオイ成分を分解するタイプもある
- 防虫対策:衣類を食べる虫が近づきにくくなる成分を配合したものもある
- 傷や汚れから守る:タンスの木材や衣装ケースの底面からの色移り・擦れを防ぐ
市販されているタンスシートには、いくつかのタイプがあります。
- 防虫+消臭+調湿の総合タイプ
- 防虫メインのタイプ(防虫剤と同じ有効成分を使っていることも多い)
- 活性炭やシリカゲルなどを使った消臭・調湿タイプ
- アロマ系の香り付きタイプ
- 無香料タイプ(香りが苦手な方や、赤ちゃんの衣類などに使いやすい)
使い方はとても簡単で、タンスや引き出しの底に敷くだけというものがほとんどです。 商品によっては「有効期間の目安」がパッケージに書かれていて、半年〜1年など、使用できる期間が決められています。 この期間を過ぎると、吸湿や防虫などの効果が弱くなってしまうため、定期的な交換が必要です。
タンスシートを使うメリット
続いては、タンスシートを使うとどんな良いことがあるのか、具体的なメリットを見ていきましょう。
湿気対策がしやすく、カビ予防に役立つ
日本は四季があり、特に梅雨や夏場は湿度が高くなりがちです。 タンスやクローゼットの中も例外ではなく、空気がこもると衣類に湿気がたまり、カビやニオイの原因になってしまいます。
調湿機能のあるタンスシートには、シリカゲルやパルプ系の吸湿素材などが使われていることが多く、引き出しの中の湿気を、一部吸い取ってくれる役割があります。 もちろん、タンスシートだけですべての湿気を完全にコントロールできるわけではありませんが、「何も敷かない状態」よりは、湿気によるトラブルを減らす助けになります。
ニオイの発生を抑え、開けたときに気持ちいい
長くしまい込んだ衣類にありがちな、「なんとなくこもったニオイ」。 これは、湿気や汗・皮脂の残り、収納スペースそのもののニオイなど、さまざまな要因が重なって起こります。
消臭成分入りのタンスシートは、ニオイの元となる成分を吸着したり、分解する働きを持つものもあり、タンス内の不快なニオイを軽減するのに役立ちます。 香り付きのタイプなら、ほんのりと良い香りをプラスできるため、衣替えのたびに気分が上がる、というメリットもあります。
衣類を食べる虫への対策になる商品もある
タンスやクローゼットの大敵といえば、衣類を食べてしまう虫たち。 ウールやシルクなどの天然繊維は特に狙われやすく、せっかくのお気に入りのニットに穴が…というショックな事態を避けたいところです。
防虫機能付きのタンスシートには、衣類用防虫剤と同じような有効成分が使われていることもあり、引き出し全体を虫が近寄りにくい環境に整える助けになります。 なお、防虫成分は商品によってタイプが異なるため、必ずパッケージの表示を読んで、使用方法や注意点を守ることが大切です。
タンス本体や衣装ケースを汚れから守る
タンスシートには、タンスの底が衣類に直接触れないようにする緩衝材的な役割もあります。 木製のタンスの場合、塗装面が傷んでいたり、色移りの心配がある場合もありますが、シートを敷いておけば衣類への影響を軽減できます。
また、衣装ケースの底のくもりや細かな傷が気になる方にとっても、シートを敷いておくことで、美しさをキープしやすくなります。
タンスシートのデメリット
便利なタンスシートですが、もちろん良いことばかりではありません。 購入前に知っておきたい「デメリット」も、正直にチェックしておきましょう。
定期交換が必要で、ランニングコストがかかる
タンスシートには有効期限があり、時間が経つと吸湿や消臭、防虫などの効果が弱くなってしまいます。 多くの商品は数ヶ月〜約1年程度を目安に取り替えが推奨されており、そのたびに買い足していく必要があります。
引き出しの数が多いご家庭では、「意外と出費がかさむな…」と感じることもあるかもしれません。 ランニングコストを抑えたい方にとっては、ここがデメリットになりやすいポイントです。
香り付きタイプは好みが分かれることも
「引き出しを開けたときに、ふんわり良い香りがすると気分がいい」と感じる方もいれば、 「香りが強すぎると頭が痛くなる」「洋服に香りをつけたくない」という方もいます。
香り付きのタンスシートは、香料が衣類に移ることもあるため、香りに敏感な方や、小さなお子さん・赤ちゃんの衣類には、無香料タイプを選ぶと安心です。
入れ方・配置によっては効果を十分に発揮しにくいことも
タンスシートは「敷くだけ」で使えるとはいえ、ぎゅうぎゅう詰めで空気の流れがほとんどない状態だと、本来の力を発揮しにくくなることもあります。 ある程度ゆとりを持って収納し、引き出しを完全に封印しっぱなしにしないことも大切です。
また、防虫成分入りのタイプは、防虫剤などほかの防虫アイテムとの併用がNGな場合もあります。 パッケージの表示に従い、使用方法と注意事項を守るようにしましょう。
新聞紙で代用できるの?どこまで効果が期待できる?
「タンスシートを買うほどではないけれど、何か簡単な対策はしておきたい」 そんなときに思い浮かぶのが、身近な新聞紙です。
新聞紙には、
- 紙の繊維が湿気を吸収してくれる
- くしゃくしゃにして使えば、空気を含んで吸湿しやすい
といった性質があり、軽い湿気対策としては役立ちます。 ただし、タンスシートと同じような防虫や高い消臭効果まで期待するのは難しく、あくまでも「簡易的なサポート役」と考えておくのが安心です。
「新聞紙だけで虫よけもニオイ対策も全部できる」というわけではない、という点は押さえておきましょう。
新聞紙の吸湿効果と、上手な使い方
新聞紙は、紙の繊維にたくさんの細かなすき間があり、その部分に空気や水分を含むことができます。 この性質を利用して、タンスや靴箱などで湿気を少し和らげる目的で使われることがあります。
タンスに新聞紙を入れるときのコツ
- 引き出しの底に新聞紙を敷く
- くしゃっと軽く丸めた新聞紙を、四隅やスキマに置く
- 月に1回〜数週間に1回程度、様子を見て交換する
特に、くしゃくしゃにして空気を含ませた状態のほうが、表面積が増える分、湿気を吸いやすくなります。 ただし、あくまで「簡易的な吸湿対策」であって、除湿機や専用の調湿剤のような強力さはありません。
新聞紙に防臭・防虫効果はある?
「新聞紙のインクのニオイが、虫よけになる」といった話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。 しかし、新聞紙そのものが衣類を食べる虫に対して、はっきりとした防虫効果を持つという科学的な裏付けは十分ではないとされています。
つまり、
- 新聞紙=防虫グッズと考えるのは避けたほうが良い
- 「虫対策をしっかりしたい」という目的には、衣類用防虫剤や防虫機能付きタンスシートのほうが適している
という捉え方をしておくと安心です。
防臭についても、新聞紙が多少ニオイを吸収してくれる場合はあるものの、専門の消臭グッズほどの効果は期待しにくいと考えられます。 湿気やニオイ対策をきちんと行いたい場合は、専用の除湿剤や消臭アイテムと組み合わせるほうが現実的です。
新聞紙を使うときの注意点
新聞紙は身近で使いやすいアイテムですが、衣類と一緒に使うときにはいくつか注意しておきたいポイントがあります。
インク移りに注意する
新聞紙のインクは、水分や摩擦によって衣類に移ることがあります。 特に、白いシャツや淡い色のブラウス、デリケートな素材は、インクが付くと目立ちやすく、落とすのも大変です。
そのため、新聞紙を使う際は、
- 衣類に直接触れないように、別の紙や布を一枚はさんで使う
- 色の薄い衣類とは一緒にしない
などの工夫をすると安心です。
湿気を吸った新聞紙を放置しない
新聞紙は湿気を吸う一方で、そのまま長く放置すると、自体が湿っぽくなってカビの原因になることもあります。 特に湿度の高い季節は、「吸ったらその分、早めに交換する」ことが大切です。
衣類の素材との相性を確認する
インク移りや色移りのリスクが心配な衣類は、新聞紙との併用を避けるか、直接触れないように使いましょう。 「大切な一着」ほど、慎重に扱ってあげたいですね。
タンスシートと新聞紙、どちらが良い?目的に合わせて選ぶのがポイント
ここまで見てくると、「結局どっちが正解なの?」と気になりますよね。 結論から言うと、
- 虫対策や総合的な機能を求めるなら、タンスシート
- コストを抑えながら、軽い湿気対策をしたいなら、新聞紙
というイメージで考えると分かりやすくなります。
また、どちらか一方だけに決めるのではなく、
- 長期保管する衣類 → タンスシート
- 日常的に出し入れする引き出し → 気軽に新聞紙で湿気対策
といった形で「場所や用途によって使い分ける」のもおすすめです。
使用シーン別のおすすめ選び方
ここからは、より具体的に「こんな場合はどっちが向いている?」を整理していきます。
湿気が多い地域・部屋の場合
湿気が多いお部屋や、北側で風通しが悪い収納スペースでは、除湿グッズや調湿タイプのタンスシートが心強い味方になります。 新聞紙も補助的に使えますが、交換の手間がかかるため、こまめなケアが苦にならない方に向いています。
虫対策をしっかりしたい場合
大切なニットやコート、冠婚葬祭用の服など、絶対に虫食いを防ぎたい衣類には、防虫機能付きのタンスシートや、衣類用防虫剤のほうが安心です。 新聞紙は、防虫のメインアイテムとして考えるには心もとないため、虫対策が重要な場面では頼りすぎないようにしましょう。
季節ものを長期保管するとき
「冬物のコートを半年以上しまっておく」「フォーマルウェアを年に数回しか着ない」といった場合には、 防虫・消臭・調湿機能を持つタンスシートを選ぶと、取り出したときの状態が安定しやすくなります。
日常的に使う引き出しの場合
毎日のように開け閉めする引き出しなら、そこまで神経質にならなくても、こまめな換気である程度ケアできます。 「ちょっと湿気が気になるかも…」というレベルなら、新聞紙で簡易的な吸湿対策をしてみるのもひとつの方法です。
コストパフォーマンスの比較
最後に、気になるコスト面についても触れておきましょう。
- タンスシート:商品にもよりますが、数百円〜1,000円前後で数枚入りのものが多く、有効期間は数ヶ月〜1年ほど。
- 新聞紙:すでに家にある場合は新たなコストがほぼかからず、こまめに交換することで簡易的な吸湿対策として使える。
タンスシートは、機能が充実している分、定期的な買い替えが必要で、長い目で見るとそれなりのランニングコストになります。 一方、新聞紙はコストを抑えられますが、防虫や強い消臭までを期待するのは難しい、という位置づけです。
「できるだけ費用をかけずに、できる範囲で対策したい」という方は新聞紙を上手に取り入れつつ、 「大切な衣類だけはしっかり守りたい」という部分にはタンスシートを使う、というメリハリのある使い方もおすすめです。
総合的な判断ポイント|自分に合った方法を選ぼう
タンスシートと新聞紙、それぞれの特徴をまとめると、次のようになります。
- 防虫・消臭・調湿など、総合的な機能を求める → タンスシート向き
- コストを重視しつつ、軽い湿気対策だけでもしたい → 新聞紙も選択肢
- 長期保管の衣類 → タンスシートを優先
- 日常使いの収納 → 必要に応じて新聞紙や除湿剤をプラス
どちらか一方だけが「正解」というわけではなく、ご家庭の収納環境や、守りたい衣類の種類、予算によって、ちょうど良いバランスは変わってきます。
「完璧にしなければ」と気負いすぎず、まずはできるところから少しずつ取り入れてみてくださいね。
まとめ|タンスシートと新聞紙を上手に使い分けて、衣類を気持ちよく守ろう
この記事では、タンスシートと新聞紙の違いや、それぞれの良さ・注意点について、できるだけわかりやすくお伝えしました。
もう一度、ポイントを振り返ると…
- タンスシートには、防虫・消臭・調湿など衣類を守るための機能が集約されている
- 定期的な交換が必要で、ランニングコストはかかるが、その分安心感も大きい
- 新聞紙は、軽い湿気対策としては役立つが、防虫や強い消臭効果までは期待しにくい
- 新聞紙を使うときは、インク移りやカビの原因にならないように注意が必要
- 「虫対策」「ニオイ対策」「コスト」など、何を優先するかで選び方が変わる
大切なのは、むずかしい専門知識よりも、自分の暮らしに合った方法を無理なく続けることです。 タンスシートや新聞紙を上手に取り入れて、お気に入りのお洋服たちを、気持ちよく長く楽しんでくださいね。